2022/06/19 米沢市広幡町 田 俊夫
三回目の萬世大路散策、様々な建設遺構、人の営みについて聞きながら足元と頭上に広がる草木を楽しんだ。苅安はこの地そのものの植物、染色か屋根を葺いたか。猿梨や熊柳はそれらで縛りあるいは道具づくりに利用されたか、その美しく目につく果物は動物とともに頬張られたに違いない。穂長熊柳は、丸く可愛い葉の間から一年かけて熟した果穂と今年の花穂を同時に見せるはず。果穂の目立つ沢柴と熊四手はよく似ている。姫夜叉五倍子のも実も目に入る。隧道間近の沢胡桃はなぜそこにあるのか、説明を聞きながら目で追う。瓜の木とも葉姿の似ている沢沿いの植物の鉄楓を見上げる。あまり目にしない一本の白花谷空木が清々しい。隧道入口の科の木、花筏はそこまでの歩みを止めて寛がせる。新道開通後、変転の世に自然観察もできる旧栗子隧道への山道として地区住民で維持されている歴史道である。